給食「残したらダメ」は時代遅れ|大阪市立小教諭の減給処分から考える学校給食のあり方

大阪市立小教諭による給食強要事件の概要と問題点

教育現場における給食指導の在り方が、再び注目を集めています。大阪市教育委員会は、市立小学校の43歳女性教諭が児童に給食を強制的に食べさせた行為について、減給1カ月の処分を下したと発表しました。この事案は、現代の教育現場における給食指導の課題を浮き彫りにしています。

報道によると、2023年度に発生した本件では、担任教諭が給食時間終了間際、残されたご飯をみそ汁の入ったおわんに入れて女子児童に食べさせようとしたほか、別の男子児童に対してはスプーンで食べ物を口元まで運ぶという行為を複数回行っていたとされています。特に深刻なのは、この男子児童が教諭の担任となった年度途中から不登校となり、現在に至るまでその状態が続いているという点です。児童本人は、教諭のこうした行為を不登校の要因の一つとして挙げているとのことです。

注目すべきは、当該教諭が市教委の聞き取り調査に対して「無理強いはしていない」と主張している一方で、学級の児童たちへのアンケートでは、複数の児童が「教諭が無理やり食べさせている」と証言している点です。児童にとっては、無理矢理食べさせられていると感じているならその時点で問題です。



筆者の小学生時代の辛い思い出 |給食時間がもたらす子どもたちへの影響

筆者自身の経験を振り返ると、同じくして小学生時代の給食時間は決して楽しい思い出ではありませんでした。少食であった私にとって、定められた時間内に決められた量を完食することは、日々の重圧となっていました。「残していけない」というルールは、形式的な規律としては理解できるし、与えられた食べ物を大切にするという心も育まれるという理解はあるものの、それが結果として学校生活全体への不安や恐怖を生み出していたのです。

こうした経験は、筆者だけではないでしょう。現代において、子どもたちの食事に関する問題は多様化しています。少食や偏食といった一般的な食習慣の問題から、より深刻な会食恐怖症まで、その様相は実に様々です。特に会食恐怖症については、他人の前で食事をすることに強い不安や恐怖を感じる症状であり、給食という集団での食事、そして残してはいけないというルールが大きなストレス要因となり得ることは想像に難くないでしょう。

現代社会における給食指導の課題と改善の必要性

教育現場における給食指導のあり方について、より詳細に考察してみると、まず重要なのは、給食が栄養補給の場ではなく、食育の重要な機会であるという認識です。しかし、その食育は決して強制や威圧によって醸成されるものではありません。

子どもたちの食事に関する個性や事情は千差万別です。例えば、その日の体調や気分によって食欲が変動することは、大人でも当然のことです。また、アレルギーや持病といった医学的な理由から、特定の食材を避ける必要がある児童もいます。さらには、文化的・宗教的な背景から、特定の食材を摂取できない場合もあるでしょう。

多様性という言葉で主張し過ぎるのも良くないと考えてはいますが、給食指導において重要なのは、個々の児童の状況や背景を十分に理解し、尊重することです。画一的な基準で全員を評価するのではなく、それぞれの事情に応じた柔軟な対応が求められます。

次に、食事の楽しさや大切さを自然に理解させる工夫が必要です。強制や威圧ではなく、食べ物への興味や関心を育むような環境づくりが重要です。例えば、食材の産地や生産者の話を織り交ぜたり、調理の過程を説明したりすることで、与えられた給食の材料に対して、より理解を深めることができます。

また、給食の時間を通じたコミュニケーションの機会としての側面も重要です。しかし、それは決して強制的なものであってはなりません。自然な会話や交流が生まれる雰囲気づくりこそが、教育者には求められています。

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