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近年、富士山の火山活動に関する報道が増えています。日本のシンボルである富士山は、実は活火山であり、いつか必ず噴火するとされています。本記事では、富士山噴火の可能性から具体的な備えまで、最新の研究データや専門家の見解をもとに、詳しく解説していきます。
【参考資料】
◾️気象庁火山情報
◾️内閣府防災情報
◾️各地域のハザードマップ
◾️火山防災協議会報告書
富士山噴火の可能性|気象庁や専門家の見解
富士山が「活火山」に分類されていることをご存知でしょうか。最後の噴火から約300年以上が経過していますが、地下では依然として火山活動が続いています。そしてこの富士山、3200年の間に100回噴火しているようです。とすると30年1回の割合となりますが、この活動頻度をどうみるか、、ですね。
噴火確率については火山学的にはかなり高い確率となっており、特に、2000年以降、富士山の地下で起きる低周波地震の回数が増加傾向にあることが観測されており、専門家の間では注目されています。
低周波地震とは、マグマの移動や熱水の活動に関連して発生する地震で、火山活動の重要な指標の一つとされています。ただし、これが直ちに噴火に結びつくわけではなく、継続的な監視と分析が必要です。
想定される被害と影響範囲
富士山がもし噴火した場合、その影響は広範囲に及ぶことが予想されています。
直接的な被害として
◾️溶岩流による建造物の破壊
◾️火山灰による健康被害
◾️農作物への深刻な影響
◾️交通機関の麻痺
特に注目すべきは火山灰の影響です。シミュレーションによると、風向きによっては首都圏全域に火山灰が降り積もる可能性があります。
火山灰の堆積予測は?
気象庁と火山専門家による最新のシミュレーションでは、噴火規模と風向きによって火山灰の堆積量は大きく異なります。また、火山灰が堆積することによって電車や航空機の運行停止、道路の視界不良や通行困難、電力設備への悪影響、上水道システムの機能低下などが予想されます。火山灰は数ミリの堆積でも深刻な影響をもたらすため、事前の対策が極めて重要です。
想定される堆積量
- 山麓地域(富士山から10km圏内)ー 30〜50cm
- 東京都心部
最大規模の噴火で西風の場合ー 2〜10cm
中規模噴火で西風の場合ー 0.5〜3cm - 神奈川県東部ー 3〜15cm
- 千葉県西部ー 1〜8cm
経済的影響
内閣府の試算によると、富士山噴火による経済的損失は最大で約2.5兆円に上るとされています。特に、首都圏の機能が一時的にでも停止した場合、その影響は日本経済全体に波及する可能性が高いです。建物・インフラ設備の直接被害、産業活動の停止による損失、観光業への打撃、復旧・復興費用といった様々な分野で影響が出ることは間違いないでしょう。
地震との関連性
火山活動と地震活動には密接な関係があることが知られています。
前回の噴火が、1707年に発生した「宝永噴火」です。 この噴火は、その同じ年に発生した南海トラフ地震である「宝永地震」の49日後に起こっています。
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火山活動による地震の誘発
- マグマの移動に伴う地殻変動
- 熱水系の変動による地震活動
- 火山性地震の連鎖的な発生
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大地震による火山活動への影響
- 地殻応力の変化による火山活動の活発化
- 地下のマグマシステムへの影響
富士山の場合、噴火が巨大地震を誘発する直接的な証拠は現時点では確認されていません。むしろ前段で述べたように、大地震が火山活動に影響を与える可能性の方が指摘されています。
具体的な備えと対策
富士山噴火に備えるため、個人レベルでできる日頃の対策としては次の備品は最低でも備える必要があります。通常の避難と違う点として、火山灰から身を守る術として、マスク、ゴーグルなどの目や肺機能を保護するものは特に重要となってきます。
日常的な備え
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防災グッズの準備
- N95規格以上のマスク(火山灰対策)
- ゴーグルや防塵メガネ(火山灰対策)
- 清潔な飲料水(最低3日分)
- 非常食(最低3日分)
- 携帯ラジオと予備電池
- モバイルバッテリー
- 常備薬
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情報収集手段の確保
- 防災行政無線の設置場所の確認
- 災害時用のアプリのインストール
- 地域の避難計画の確認
- ハザードマップの確認と保管
- ペットがいる場合、避難所入所可否や対応方法を決めておく
噴火時の対応
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初動対応
- 正確な情報収集(テレビ、ラジオ、インターネット)※SNSの情報や写真・動画は安易に鵜呑みにしない
- 窓やドアの閉鎖
- エアコンや換気扇の停止
- 火山灰から身を守る準備(マスク、ゴーグルの着用、折り畳み傘や長靴など)
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避難準備
- 避難指示が出た場合の避難経路の確認
- 家族との連絡方法を今のうちに確認して決めておく
- 避難時の持ち出し品の定期的な更新と、役立つ防災グッズを日頃から意識して調べて用意する
避難計画
各自治体で策定されている避難計画
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警戒レベルに応じた対応
- レベル1:平常
- レベル2:火口周辺規制
- レベル3:入山規制
- レベル4:避難準備
- レベル5:避難
よくある質問と回答
Q1: 噴火の前兆は分かるのでしょうか?
A1: 地震活動の増加や地殻変動など、いくつかの前兆現象が観測される可能性が高いとされています。ただし、必ずしもすべての噴火で明確な前兆が現れるわけではありません。
Q2: 火山灰から身を守るためには具体的に何が必要ですか?
A2: N95規格以上のマスク、ゴーグル、長袖・長ズボンの着用が推奨されます。また、室内では窓やドアを閉め、換気扇やエアコンの使用を控えることが重要です。
Q3: ペットがいる場合の対策は?
A3: ペット用の避難グッズ(食事、水、ケージなど)の準備や、ペット可の避難所の確認が必要です。また、ペットの健康管理のため、火山灰対策(マスクやゴーグル)も考慮する必要があります。
まとめ
富士山の噴火は、いつ起きても対応できるように、日頃の確かな備えと正しい知識をインプットしていれば、被害を最小限に抑えることが可能です。本記事で紹介した対策を参考に、ご家族やコミュニティでの防災計画を見直してみてはいかがでしょうか。
定期的な防災訓練への参加や、ハザードマップの確認など、できることから始めていくことが重要です。また、行政からの情報にも常に注意を払い、防災情報をこまめにキャッチアップすることが大事ですね。