職場のさまざまな人間模様②
前回、職場のさまざまな人間模様①では、会社組織、そして職場内におけるいわゆる「派閥」とはどういうものなのか、筆者なりに見解を述べたのだが、もう一つ「お局様問題」についても述べておこう。
この問題については、筆者が前回述べたように、ある従業員たちからの話で、前職あるいは前前職時代に遭遇したいわゆる「お局様」の天下により、そこにいる社員や役職者すら太刀打ちできない存在感を醸し出す存在の話である。これもまた局所的な見解であり、いわゆる「お局様」には良くも悪くも様々な種類が存在することは読者もお分かりだろうから、こちらもどうか寛大な心で読み進めてほしいと願う。
そもそも職場内におけるいわゆるお局様とはどういった意味でそのワードに警戒感が持たれるようになったか。
共通するのが「意識的に、または無意識的に周囲を自分のコントロール下におき、有無を言わさず自分の意向に従わせる」点が大きい。これだけ見れば、ある意味マインドコントロールをかけているような見え方に感じるが、はっきり申し上げて筆者はそう思っている。それを意識的に行なっているとすれば、大変な問題である。さらに付け加えるとその従業員たちからの話として、お局は気に入らない人間に対する厳しい圧をかけたり、逆にはぶいたり、不必要な罵声を浴びせたりということも日常茶飯事で、そこにいる社員や役職者でさえも逆らうことができないというある意味で最強の企業戦士が、どの職場にも1人はいたと言う。いや、企業戦士というと聞こえが良すぎるし、捉え方が違うかもしれない。
お局の存在するところの最大の問題は、「本当は頑張って働いていきたい、好きな仕事なのにこの問題のせいで職を転々とせざるを得ない人たち」だけが泣きをみるところにあると思う。ただ一人が、たった一人が自分の欲望や優越感に浸るためだけに、自らの悪知恵や地位や立場を上手に活用して、満足感を得る。その影で、何人もの人たちの純粋に仕事をして、周囲と協調性を保ち、楽しく役に立てたらと思う人の心が握り潰されていく。解決策はないのだろうか。
読者のあなたがもしそういった悩みを抱えているのであれば、解決策としては強引かもしれないが、筆者はこう考えるしかないのではと思うことがある。それは少し厳しい物言いになるかもしれないが、自分自身が強くなることに他ならない。それが出来れば誰も苦労はしないと言われるかもしれないが、強く生きることが真理であると考える。発する愚痴は自分を強くはしない。嫌だから他へ移れば、新しい職場で再び同じ状況に陥るかもしれない。ならば、仕事が楽しい今の職場に居続けるために、そして巻き込まれないためにはどうすれば良いか?もっと言うとそういった心無いお局支配下の世界を、優しくて強いあなたのような「泣きを見てきた人たちが主役の世界」にどうすれば変えていけるのかを、徹底的に考えて実行するしかない。それはあなた一人が抱え込む必要はなくて、同じように悩む人、同じような経験を持つ人、同じ感情を抱く人は近くに必ずいるはずだから、勇気を出して打ち明けることが第一歩であり、あなたのような人についてくれる人間は確実に近くにいる。そうやって一歩ずつ、自分の世界と、自分自身の有り様を変えていくのである。
利己的・排他的にならず、いつでもどんな場所でも調和をはかれる、そういう人たちが生きやすい世の中・働きやすい世の中になれば、この世はもっと素晴らしい世界になるのではなかろうか。