職場のさまざまな人間模様①
筆者の経営の立場から言うものでもないが、従業員から話を聞いていると、前職、また前前職時代の職場の人間関係やそこでの暗黙の慣わしなど、実にさまざま存在していると感じている。その中でも一番多いのはいわゆる「お局様問題」、そして「派閥」である。
筆者からすれば、その会社へは本来「何をしに来ているのか」「達成させなければいけないことは何か」自分が普段から心得ていれば、この奇跡にも等しい同じ会社で出会った人たちと共に仕事をしていく上で、普段からどう接すべきか、皆からの協力と友好性があってこそ、その心得は報われて、自分自身のスキルが向上したり、給料が上がったり、さらには周りとの調和も深まるような、そういった形で繋がっていくはずなのに、どうしたことか、会社内では派閥を作りたがる勢力や、あまりよろしくない意味でのお局天下の図式が出来上がってしまっているところもあるのが現実だ。
「派閥」とは、出身や利害などの関係による、人々の排他的なつながりのことである。つまりは何らかの利害関係が生まれないと判断した者に対しては退けて受け入れない、そしてそれに同調する者たちの繋がりを言う。利害関係とは、自分と相手の双方が利益を得られる関係を指し、「共存関係」や「協力関係」「両立関係」などとも言い換えられる。 またここには金銭的な利益を得るという事実だけでなく、「満足した」という心理も含まれる。
ある記事では、「社内における派閥は自然現象である、脱派閥=正義を貫けば身が滅びる」ようなことが書かれていたのを見たことがあるのだが、本当にそうだろうか。筆者はそうは思わない。確かに正義とは、それを振りかざせば振りかざすほど、時として自分自身が斬りつけられる諸刃の剣にもなり、よほどの理論武装した上で主張しなければ、その正義はただの屁理屈となってしまう場合もあるが。
派閥に入らない・作らないという正義を無理に主張する必要はないが、筆者は冒頭でも述べたように、「その会社で自分が達成させなければいけないことは何か」を大前提として仕事に取り組んでいれば、自ずとそれがいかにくだらなくて生産性の低下する現象である事かがわかるだろう。恐れることはない。これからの時代はそういう胆力を身につけるべきだと筆者は考える。考えてみてほしい。その会社組織が長い歴史を歩み続け、今現在も社会に必要とされ続けているのはどうしてだろう。それは間違いなく、そこにいた人間や今もそこにいる人間の「仕事へのひたむきな姿勢」、それによって醸成されてきた風土によるものである。社内の利害関係といった概念からは、ほぼ何も生まれない。ひたむきな仕事は、会社元来のビジョンを意識して実行することや、一人一人に与えられた使命が何なのかを理解し、その使命を全うすることに繋がる。一人一人がそれを意識していれば、それを達成するためにどうすれば良いのかがわかるはずである。そしてもはやそんな「暇」はなくなるだろう。
次項ではその「派閥」と同じくして職場に少なからず負の揺らぎを与えかねない「お局様問題」にクローズアップしよう。
しかしながらここまでそれらを否定するニュアンスが強かったかもしれないが、筆者一個人としての見解であること、そして「派閥」と同じくして世の中には様々な人間模様や思考が存在しているという現実の中、読者はどうか寛大な心で読み進めてほしいと願う。