「したたか」という言葉を聞いて、あなたはどんなイメージを思い浮かべるだろうか。ずる賢い、抜け目がない、といったどちらかというとネガティブな印象を持つ人も多いのではないだろうか。しかし、このしたたかさこそが、実は人生を豊かに生きるための重要なスキルなのである。
したたかさとは何か?その本質とは
したたかさ=
1 粘り強くて、他からの圧力になかなか屈しないさま。しぶといさま。
2 強く、しっかりしているさま。
したたかさの本質は、しなやかな強さにあると思う。それは決してあちらから急に他者を踏みつけにするような攻撃的な態度ではない。ただ、粘り強くしぶといイメージはある。しかし、状況を冷静に見極め、柔軟に対応しながら、自分の望みや目標に向かい、周囲が気付かないくらいの慎重さで、確実に進んでいく能力が突飛しているような様子である。
例えになるかわからないが、会議での発言を考えてみる。場の空気を読みながら、自分の意見をどうしても通したいがために虎視眈々とベストなタイミングを待つ。反対意見が出た時も、真っ向から対立するのではなく、相手の意見も取り入れる、そして徐々に自分の主張に近づけて最後は望み通りの結果を獲得する。こういったところが、したたかさの真髄と言えるだろう。
なぜ人生には「したたかさ」が必要なのか
1. 理想と現実のギャップを埋める力
世の中は必ずしも理想通りには進まない。そんな時、硬直的な態度では壁にぶつかるばかりだ。したたかさを持つことで、理想を持ちながらも現実的でシビアな対応が可能となる。
2. 人間関係を円滑にする知恵
人間関係において、常に正面からぶつかることは得策ではない。時には一歩引いて、相手の立場に立って考え、Win-Winの関係を築いていく。これもしたたかさの一つの形だ。そして、いつまでも弱い立場・搾取される立場にいるわけにはいかない。舐められ、上手く利用されることのないように、「強く生きる」ためには少しくらいズルくたっていいだろうし、実際それは必要なことである。
3. 長期的な成功に重点を置く着眼力
何事も結果を急ぐ傾向の人が多いのであろうが、長期的な視点で物事を見ることは非常に重要だ。これは、したたかな人々の特徴的な思考パターンである。
したたかさを身につけるための具体的な方法とは?
▼観察力を磨く
- 人々の発言する内容やタイミング、説得の仕方を研究する
- 人々の反応や、場の空気を読む練習を重ねる
- 周囲の成功者の行動パターンを細かく観察する
▼柔軟な思考を培う
- 複数の選択肢を常に用意しておく
- 「これしかない」という思い込みを避ける
- 失敗を恐れず、新しいアプローチを試してみる
▼戦略的な行動計画
- 短期・中期・長期の目標を明確に設定する
- 目標達成のための複数のルートを検討する
- 定期的に計画を見直し、修正を加える
したたかであることの落とし穴と対処法
しかしながら、したたかさを養うにしても注意すべき点はある。度が過ぎると、以下のような問題が発生する可能性も。
- 周囲からの信頼を失う
- 本質的な能力向上がおろそかになる
- 人間関係が表面的になりがち
これらを防ぐために、以下の点に気をつけよう。
- 相手の立場や感情への配慮を忘れない
- 誠実さと決して矛盾しないことを心に留める
- 短期的な得失だけでなく、長期的な信頼関係構築を重視する
引っ込み思案な人のためのステップアップガイド
控えめな性格の人こそ、したたかさを味方につけることで、大きく成長できる。
Step 1ー小さな目標から始める
- 毎日一回は会議で発言すると決め、達成できたら発言のハードルを上げていく
- 週に一度は上司に自分からアイデアを提案し、代替案を提示する癖をつける
- 同僚との雑談を意識的に増やす
Step 2ー成功体験を積み重ねる
- 達成できた目標を記録する
- 小さな成功からでも自信をつける
- 徐々にチャレンジのレベルを上げていく
Step 3ー戦略的な人間関係構築
- キーパーソンとの関係づくりを意識する
- 相手に役立つ情報や価値を提供する
- 信頼関係を地道に築いていく
まとめ【したたかさは人生の武器となる】
したたかさは、決してネガティブな特質ではない。それは、現実世界を泳ぎきるための必要不可欠なスキルでもあり、人生を豊かにする重要な要素ではないだろうか。
しなやかであること、強さを持つこと、この2つを併せ持つこのスキルを磨くことで、キャリアも人間関係も、より充実したものとなっていくだろう。ただし、その過程で誠実さだけは絶対に見失わないこと。それこそが、真のしたたかさなのである。
人生は長い旅路であり、その立ち振る舞いはあなたが決める。どうか賢明に進んでいただきたい。