
求められる社会全体の意識改革
家族だけで介護を抱え込むのではなく、社会全体で支える意識を醸成することが重要である。また、介護を女性の役割とする固定観念を払拭し、男性の介護参加を促進することが必要ではないかと考える。そして、これは個々の生活にもよるのだが、仕事中心の生活スタイルを見直し、介護や育児などのライフイベントと仕事の両立を当たり前とする社会の風潮というのか、雰囲気づくりが必要なのではないだろうか。
まとめ
取材を行ったAさんは、介護離職から1年が経過した後も、母親の介護は継続しているが、地域の介護サービスをうまく活用することで、自分の時間も少しずつ持てるようになったという。また、オンラインで受講できる資格取得講座に挑戦するなど、将来の再就職に向けた準備も始めているようである。本人の意志の強さや仕事復帰へのモチベーションにも絡んでくるが、常に前向きな気持ちで、目の前の問題と上手に付き合っていきながら、自分のライフスタイルに知恵と工夫をしていくことも忘れてはならない。介護離職という重たいワードではあるが「誰もが介護する側にも、される側にもなり得る」ということ。この問題は決して他人事ではなく、社会全体で取り組むべき課題である。
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