- オープンクエスチョンを多用するーーーーー「はいorいいえ」では答えられない、考えを引き出す質問
- 「なぜ」よりも「どのように」で聞くーーーーー「なぜ」は防衛反応を引き起こすことがある
- 具体例を求めるーーーーー「例えばどんな場面で?」と掘り下げる
- 沈黙を恐れないーーーーー質問後の「間」を大切にし、相手の思考を待つ
ビジネスを変える「一次情報」|売れる営業担当が実践する情報収集の本質とは
また、質問は「準備」と「即興」のバランスが重要である。事前に業界知識や企業研究をもとに準備した質問と、その場での会話から生まれる即興的な質問を組み合わせることで、より深い洞察を得ることができる。
「記録する習慣」による情報の定着
一次情報は、その場で適切に記録しなければ価値が半減する。人間の記憶は曖昧で、時間の経過とともに変化してしまうからだ。成功する営業担当は必ず優れた記録の習慣を持っている。
◆効果的な記録のポイント
- 会話の中でキーワードやフレーズをメモする(全文記録は不要)
- 非言語情報も記録する(「この話題で表情が明るくなった」など)
- 自分の気づきや仮説も併せて記録する
- 訪問直後に5分でも時間を取り、印象を書き留める
デジタルとアナログの使い分けも重要だ。ミーティング中のメモはアナログノートが相手に与える印象が良く、整理・共有はデジタルツールが効率的である。
一次情報を活かすための「情報整理術」
「点」を「線」にする思考法
一次情報の真価は、単体ではなく複数の情報を有機的につなげたときに発揮される。様々な場面で収集した「点」としての情報を、「線」や「面」にする思考プロセスが重要である。
・経営者から聞いた「生産性向上」という方針と、現場担当者から聞いた「作業負荷の増加」という課題をつなげる
・財務部門の「コスト削減」という要請と、営業部門の「顧客満足度維持」という目標の間にある矛盾を見つける
・複数の部署から聞いた「情報共有の問題」に共通するパターンを見出す
この「つなぐ思考」には、定期的な振り返りと整理の時間が不可欠である。週に一度でも、収集した情報を俯瞰し、パターンや関連性を探る習慣をつけるとよい。
「仮説」と「検証」のサイクル
一次情報を最大限に活かすには、「仮説構築→検証→修正」のサイクルを回すことが効果的である。特に新規開拓の初期段階では、限られた情報から仮説を立て、次の接点でそれを検証していく反復プロセスが重要になる。
1.初回面談でクライアントの発言から「人材育成に課題がある」という仮説を立てる
2.次回訪問時に、その仮説を検証するための質問や観察を行う
3.得られた情報から仮説を修正し、「中堅社員のマネジメントスキル不足」という更に焦点を絞った仮説を構築する
4.この新たな仮説に基づき、解決策の方向性を検討する
このサイクルを回すことで、一次情報の質と量が増し、より本質的な提案が可能になる。
SNSと対面の「情報の質」の違いを理解する
LinkedInやTwitterなどのSNSも、一次情報の収集チャネルとして活用できる。ただし、SNS上の情報は、対面で得られる情報とは質が異なることを理解しておく必要がある。
SNS情報の特性
・公開を前提としているため、建前的な内容が多い
・トレンドや業界の方向性を把握するのに有効
・個人の価値観や関心を知る手がかりになる
これに対し、対面での情報収集の特性
・非公開の本音や懸念事項を引き出せる
・組織の雰囲気や人間関係を感じ取れる
・即興的な質問で深掘りできる
SNSで得た情報は「仮説」として位置づけ、対面での接点で検証するという使い方が効果的である。例えば、クライアントのLinkedIn投稿から関心テーマを把握し、実際の面談で「先日投稿されていた○○について、もう少し詳しくお聞きしたいのですが」と話を広げるといった方法がある。
新人営業担当が今日から実践できる「一次情報力」強化法

「知らないことを知らない」状態を脱する
経験の浅い営業パーソンの多くは、「知らないことを知らない」状態にある。つまり、何を調べるべきか、何を質問すべきかすら分からないのである。
この状態を脱するための第一歩は、業界や企業について最低限の基礎知識を身につけることだ。ただし、これはあくまで「質問するための土台」であり、「知ったつもり」になるためではない。
初動の情報収集ステップ
- 企業のウェブサイトで事業内容や沿革を把握する
- 決算資料や有価証券報告書で財務状況や経営課題を理解する
- ニュースリリースや業界ニュースで最近の動向を確認する
- SNSで企業や主要人物の発信を確認する
これらの基礎情報をもとに、「なぜこの事業に注力しているのか」「この課題にどう取り組んでいるのか」といった質問を準備する。知識そのものより、その知識を基に考える習慣をつけることが重要である。
「先輩の背中」から学ぶ観察力
新人営業担当にとって、優秀な先輩の「一次情報収集術」を観察することは最高の学習機会となる。どのような質問をするか、どのように場の空気を読むか、どのように情報を整理するかなど、実践的なスキルを吸収できる。
特に注目すべきポイント
- 先輩は何を準備して臨んでいるか
- どのようなタイミングで、どんな質問をしているか
- クライアントの反応をどう受け止め、次の質問にどうつなげているか
- 訪問後にどのように情報を整理し、次のアクションにつなげているか
これらの観察を通じて、自分なりの「一次情報収集術」を構築していくことができる。
「お客様の立場」で考える視点転換
一次情報収集の本質は、相手の立場に立って考えることができるかどうかにある。新人営業パーソンがまず身につけるべきは、この「視点転換」の能力である。
例えば、訪問前に以下のような問いを自分に投げかけてみる。
- このお客様は今、どのような課題に直面しているのだろうか
- 私が訪問することで、お客様にとってどんな価値が生まれるだろうか
- お客様の成功は何によって測られるのだろうか
このような視点転換の習慣は、商品説明のみではなく、真の課題解決を提案できる営業パーソンへの第一歩となる。
まとめ|「一次情報」を制する者がビジネスを制する
情報があふれる現代だからこそ、「一次情報」の価値は高まっている。誰もがアクセスできるネット上の情報ではなく、自らの足で稼ぎ、目で見て、耳で聞いた生きた情報こそが、ビジネスにおける差別化の源泉となるのである。
特に経験の浅い営業担当は、「知識不足」や「経験不足」を嘆くのではなく、むしろ「白紙の状態」というアドバンテージを活かし、徹底した一次情報収集に注力すべきである。先入観なく、真摯に相手と向き合い、本質的な課題を理解しようとする姿勢そのものが、信頼構築の第一歩となる。
一次情報を収集する力は、一朝一夕には身につかない。しかし、本記事で紹介したマインドセットと具体的方法論を日々の業務に取り入れることで、確実に「一次情報力」は向上していく。そして、その力が営業成績の向上につながることは間違いない。
ビジネスの本質は、結局のところ「人と人との関係性」にある。その関係性を深め、真の課題解決につなげるための最も確実な道筋が、「一次情報」の収集と活用なのである。今日から、あなたも「情報の質」にこだわる営業パーソンへの一歩を踏み出してみてはいかがだろうか。
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