今回の「にっぽん全国“シゴトのある風景”」では、栄養士で2児の母でもある、水野千恵(みずのちえ)さんにインタビューを行いました。水野さんは大手企業の料理講師として10年以上勤務をし、その後フリーランスに転身。現在は「親子で幸せに生きる力を育てる」をテーマに、台所育児講座を主催しています。今回のインタビューでは、水野さんのこれまでの仕事での苦労や学び、フリーランスとなった現在はどんな思いで活動をしているかについてお話を伺いました。
料理講師の経験から感じた「食」と「心」のつながりの大切さ

―――今のお仕事は何がきっかけで始められたのですか?
元々は長男が生まれた時に、育休をいただいたことがきっかけです。そのときに育児中に学んだことをインスタで情報発信するようになりました。育児中って孤独を感じやすいと思うんですけど、フォロワーさんと繋がってコミュニケーションを取るのも楽しくて。その時からインスタでの活動が、もし在宅で出来るお仕事になったら素敵だなぁとは思いましたが、当初は前職の職場に復職する予定でした。だからまず副業でやっていけたらいいなと考えていました。
―――ちなみに前職はどんなことをしていたのですか?
元々は10年以上、大手企業の料理教室の先生をしていたんです。そこでいろいろな経験をして。さまざまなコースがあり、いろいろな方がいたのですが、たとえば男性だけが受講者のコースもあったんですよ。そこでも皆で料理を作って食べるのですが、最初は不機嫌そうにムスッとしている人も、食べた後にはすっごいニコニコして楽しそうにしているんです!そのときに食べることの力ってすごいな!と実感しました。
―――元々は料理を作ることを教えていたんですね!
はい、最初は料理を教えるって仕事が天職なんだって思っていました。でもだんだんそれを突き詰めていったときに、食べることの美味しさって、料理そのものを極めること以上に、食べる空間がすごい大切だなって感じるようになって。前職で働いていて調理技術の講習を受けることもありました。そのときに、静まり返って緊張感が漂う状況だったり、自分がミスをして注意を受けた後だったりすると、どんなに美味しい料理を食べていても美味しさって感じにくいんですよね!だから食べることは、食べる空間や心も深く関係していると強く実感しました。その経験は、いま力を入れている台所育児講座にもつながっています。
―――今はもうインスタの1万人以上のフォロワーさんもいて、発信もすごい上手だなと感心します。
ありがとうございます。最初はとにかく発信すればいいくらいに考えていたのですが、発信の仕方についてしっかりと学んだことにより、発信を受け取る側の気持ちをよく理解することが大切なんだなということを実感しました。私はお母さん向けの発信が多いのですが、自分の子育ての中で離乳食を食べない長男に対して、栄養大丈夫かなってすごく心配したし、モヤモヤすることも多かったんですね。自分の心が不安定だと美味しいとか、幸せというのも感じにくいですし、同じようなことに悩んでいるお母さんが多いと感じたので、そういった発信を大切にしています。
一番苦労した「育児」「家事」「仕事」の両立とそれを乗り越えられたわけ

―――今の仕事をしていく中で、苦労はありましたか?
そうですね、一番苦労したのは「育児」「家事」「仕事」の両立です。そのバランスをどうやって取ればいいか、家族にどうすれば協力してもらえるかなど悩みました。またインスタで情報発信をしていても、最初からすぐに収益が出るわけではないので、本当にこれをやっていて結果が出るのか、大丈夫なのかという不安もありましたね。
1
2








































































