親子で幸せに生きる力を育てる!栄養士・水野千恵さんが伝える「台所育児」の魅力

今回の「にっぽん全国“シゴトのある風景”」では、栄養士で2児の母でもある、水野千恵(みずのちえ)さんにインタビューを行いました。水野さんは大手企業の料理講師として10年以上勤務をし、その後フリーランスに転身。現在は「親子で幸せに生きる力を育てる」をテーマに、台所育児講座を主催しています。今回のインタビューでは、水野さんのこれまでの仕事での苦労や学び、フリーランスとなった現在はどんな思いで活動をしているかについてお話を伺いました。

水野 千恵(みずの ちえ)さん

◾️プロフィール

栄養士で2児の母。大手企業の料理講師として10年以上勤務し、延べ5,000人以上の親
子とともに料理を楽しむ。現在は千葉県を活動拠点としながらも、オンラインで全国のお母さんに向けて、「親子で幸せに生きる力を育てる」をテーマに台所育児講座「ハピミル」を主催。Instagramでは1万人以上のフォロワーを持つインフルエンサーとしても、積極的に情報発信をしている

インスタグラム

 

 親子で幸せに生きる力を育てる!栄養士・水野千恵さんが伝える「台所育児」の魅力

 

料理講師の経験から感じた「食」と「心」のつながりの大切さ

 

親子で幸せに生きる力を育てる!栄養士・水野千恵さんが伝える「台所育児」の魅力

―――今のお仕事は何がきっかけで始められたのですか?

元々は長男が生まれた時に、育休をいただいたことがきっかけです。そのときに育児中に学んだことをインスタで情報発信するようになりました。育児中って孤独を感じやすいと思うんですけど、フォロワーさんと繋がってコミュニケーションを取るのも楽しくて。その時からインスタでの活動が、もし在宅で出来るお仕事になったら素敵だなぁとは思いましたが、当初は前職の職場に復職する予定でした。だからまず副業でやっていけたらいいなと考えていました。


―――ちなみに前職はどんなことをしていたのですか?

元々は10年以上、大手企業の料理教室の先生をしていたんです。そこでいろいろな経験をして。さまざまなコースがあり、いろいろな方がいたのですが、たとえば男性だけが受講者のコースもあったんですよ。そこでも皆で料理を作って食べるのですが、最初は不機嫌そうにムスッとしている人も、食べた後にはすっごいニコニコして楽しそうにしているんです!そのときに食べることの力ってすごいな!と実感しました。

 

―――元々は料理を作ることを教えていたんですね!

はい、最初は料理を教えるって仕事が天職なんだって思っていました。でもだんだんそれを突き詰めていったときに、食べることの美味しさって、料理そのものを極めること以上に、食べる空間がすごい大切だなって感じるようになって。前職で働いていて調理技術の講習を受けることもありました。そのときに、静まり返って緊張感が漂う状況だったり、自分がミスをして注意を受けた後だったりすると、どんなに美味しい料理を食べていても美味しさって感じにくいんですよね!だから食べることは、食べる空間や心も深く関係していると強く実感しました。その経験は、いま力を入れている台所育児講座にもつながっています。

 

―――今はもうインスタの1万人以上のフォロワーさんもいて、発信もすごい上手だなと感心します。

ありがとうございます。最初はとにかく発信すればいいくらいに考えていたのですが、発信の仕方についてしっかりと学んだことにより、発信を受け取る側の気持ちをよく理解することが大切なんだなということを実感しました。私はお母さん向けの発信が多いのですが、自分の子育ての中で離乳食を食べない長男に対して、栄養大丈夫かなってすごく心配したし、モヤモヤすることも多かったんですね。自分の心が不安定だと美味しいとか、幸せというのも感じにくいですし、同じようなことに悩んでいるお母さんが多いと感じたので、そういった発信を大切にしています。

 

一番苦労した「育児」「家事」「仕事」の両立とそれを乗り越えられたわけ

 

親子で幸せに生きる力を育てる!栄養士・水野千恵さんが伝える「台所育児」の魅力

―――今の仕事をしていく中で、苦労はありましたか?

そうですね、一番苦労したのは「育児」「家事」「仕事」の両立です。そのバランスをどうやって取ればいいか、家族にどうすれば協力してもらえるかなど悩みました。またインスタで情報発信をしていても、最初からすぐに収益が出るわけではないので、本当にこれをやっていて結果が出るのか、大丈夫なのかという不安もありましたね。

 

―――たしかに最初って発信をしても、なかなか結果が出ないですよね。

そうなんですよね。でも目的を明確にして覚悟を決めた、という感じです!自分は本当に何がしたいのかとしっかりと向き合ったときに、やっぱり食の力で悩んでいる世の中のお母さんたちを幸せにするんだ!という強い気持ちが出てきました。

 

―――ご家族の協力もあったのでしょうか?

はい、家事における分担の割合を見直すなど、家族の協力が得られたことも大きいです!子どもとの時間を大切にしたいと思っているので、在宅で働けるスタイルを確立したいという思いもありました。そんな未来が実現できたら自分も幸せだと思い、夫にも相談したら応援すると言ってくれて、いま在宅で台所育児講座ができるのは、その協力のおかげです。

 

「台所育児」で見守る力が育ち、大人も子どもも幸せになる

 

親子で幸せに生きる力を育てる!栄養士・水野千恵さんが伝える「台所育児」の魅力

―――いま力を入れている、台所育児講座ってどういうものですか?

まず台所育児というものは、料理や食に関する体験を通して、子どもと親が一緒に成長できる育児法のことです。たとえば食材を触ったり、大人が料理をしている様子を見せたり、一緒に作ってみたりなどが具体的にやることの一例ですが、何をさせるか以上に大切なのは「大人が見守れるかどうか」ということです。

 

―――「見守る大切さ」についてもう少し詳しく教えてください。

子どもは好奇心が旺盛なので、色々とチャレンジします。そのとき元々の私もそうでしたが、つい守りたい気持ちから「危ない!」って止めたくなるんですよね。でもそこでグッとこらえて見守ることで、子ども自身が問題を解決したり、新しい創造的な遊びに発展したりすることがあります。そのような経験を通して、大人自身も大きな気づきが得られ「こうあるべき」という価値観からも解放されます。その中で、大人の心の状態が整い、一緒に成長していけるのが台所育児の魅力です!

 

―――その瞬間に立ち会えることが、今の仕事の原動力なんですかね。

そうですね!私は家族みんなが主人公になれる家庭を増やしたいと思っています。今振り返ってみると、私自身もかつて我が子に対して、こうしてあげなきゃ、ああしてあげなきゃみたいに、考えすぎていたこともありました。でもそれだと子どもの人生に介入しすぎてしまいますよね。そうすると子どもは、お母さんの言う通りにしなきゃ!みたいになってしまうかもしれません。だからまずは親が自分の人生を楽しんで生きることが大切ですし、その姿を見た子どもも自然とそうなれますよね。そして、大人も子どもも対等に尊重し合える関係にもなれて良い循環がうまれるなって思います!台所育児を伝えていくことで、そんな社会につながったらいいなと思っています。

 

―――最後に1つだけ教えてください、これからどんな未来を作っていきたいですか?

未来を想像した時に、まず自分の息子や娘が生きている社会が、幸せな人に囲まれていたらいいなと思うんです。日本を変えようとかはすぐには難しいかもしれませんが、まずは家族や関わりのある人たち、その周辺のみんなが幸せでいたらいいなと。そのためには私たちが今何をするかが大切だと思うので、自分のできることからそんな未来や社会を作っていきたいです。

 

―――水野さんのこれからの取り組みもとても楽しみです。本日はありがとうございました!

 

今回のインタビューを通して、笑顔で楽しそうに話す水野さんの姿が印象的でした。

水野さんの取り組みが広まることで、親子の食に関する悩みが軽減されるだけではなく、大人も子どもも自分の人生を楽しめるようになり、幸せな社会が広がることになるのでは……という期待感が膨らみました。

もし水野さんが力を入れている台所育児講座が気になる、受けてみたいという方は、講座の情報も受け取ることができる水野さんのインスタグラムを一度覗いてみてくださいね。

ライター紹介

山口 健太
「にっぽん全国”シゴトのある風景”関東エリア担当ライター。「世の中に足りていないものをつくる」をモットーに書くことを中心とした創作活動をしている。取材記事やブックライティングなどでも力を発揮。WEBライターとしては企画出しからできるメディアでのみ活動。

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