誰にでも、人生のどん底と感じる時期が訪れます。失業、離婚、病気、借金、人間関係の破綻—。そんな状況に直面すると、「もう終わりだ」と思い詰めてしまうかもしれません。しかし、今あなたがこの記事を見つけて読んでいるということは、その状況の苦しみから抜け出したいという前向きで勇敢な気持ちが湧き起こっているはず。大丈夫、どんな状況でも、必ず這い上がれる道はあります。少し精神論的コラムとなってしまいますが、あなたの気持ちが少しでも楽になってもらえるなら幸いです。
「どん底」を感じるのは?その心理的メカニズム
人生のどん底を感じる時、私たちの脳は「全か無か思考」に陥りがちです。今の苦しい状況が永遠に続くような錯覚に襲われ、希望が見えなくなります。これは人間の脳が持つ自然な反応です。危機的状況で、脳は生存本能から最悪のシナリオを想定するようプログラムされているからです。
しかし、この感覚は一時的なものです。人生の危機に直面したとき、まず覚えておくべきことは、「この感覚は必ず変化する」という事実です。どんなに深い闇の中にいても、時間とともに必ず状況は変化していきます。
最初にすべきこと【生きることに集中する】
多くの人は「すべてを一度に解決しなければ」と考えがちです。しかし、それは現実的ではありません。まずは、最も基本的な「生きる」ということに焦点を当てましょう。
具体的には、以下の三つの基本的な欲求を満たすことに注力します。
・睡眠を確保すること
最優先事項です。眠れないからと言って、睡眠薬に頼るのではなく、まずは就寝時間を決めて守ることから始めましょう。たとえ眠れなくても、その時間はベッドで横になり、体を休ませることが大切です。
・食事は必ずとること
「食欲がない」「何を食べても美味しくない」という状態かもしれません。それでも、一日三食、できるだけ規則正しく摂取することを心がけてください。特に朝食は、その日の活動エネルギーを生み出す源となります。
・適度な運動をすること
心身の健康に運動は欠かせません。といっても、ジムに通うような本格的なものである必要はありません。毎日15分程度の散歩から始めましょう。外の空気に触れ、自然の音を聞くことで、心が少しずつ落ち着いてきます。
助けを求めることは弱さではない
多くの人は「迷惑をかけたくない」「恥ずかしい」という理由で、一人で問題を抱え込もうとします。しかし、これは問題をより深刻化させる原因となります。
専門家に相談することを躊躇する必要はありません。カウンセラーや精神科医との面談は、決して「精神的に弱い人がするもの」ではありません。むしろ、自分の状況を改善したいという強い意志の表れです。
また、家族や親しい友人に状況を打ち明けること、これも遠慮する必要はありません。しかし必ずしも全てを話す必要はありません。自分が話せる範囲で、少しずつ打ち明けていけばいいのです。周りの人は、あなたが思っている以上に力になってくれるはずです。そして見えていなかった違った視点からの話も出来るかもしれません。
小さな目標から始めること
大きな問題を抱えているとき、その解決は一朝一夕にはいきません。むしろ、小さな目標を立てて、一つずつ達成していく方が効果的です。
例えば、部屋の掃除から始めるのもいいでしょう。今日は机の上だけ、明日は本棚の整理というように、範囲を限定して取り組みます。小さな達成感の積み重ねが、自信の回復につながります。
また、一日の予定を立てることも有効です。「今日は何をすればいいのかわからない」という漠然とした不安を減らすことができます。ただし、予定は必ず実現可能なものにしましょう。無理な目標を立てて、達成できないことで自己否定感が強まるのは避けたいものです。
変化を恐れないこと
どん底からの回復過程では、必ず変化が必要になります。それは生活習慣かもしれませんし、仕事かもしれません。あるいは、人間関係かもしれません。
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