
困難な経験をした時に、その克服方法を質問されることが多い傾向にあります。採用面接においてなぜこれを問うのかというと、応募者の問題解決能力やストレス耐性を評価し、採用後の仕事ぶりを予測する重要な判断材料となります。
- なぜ重要なのか
- 問題解決能力の証明:困難をどのように分析し、対処したかを示せます。
- ストレス耐性の実証:プレッシャーの下でも機能できることを示せます。
- 学習能力と成長の証明:経験から学び、成長する能力を示せます。
- リーダーシップの潜在性:困難な状況下でのリーダーシップを示せる機会です。
- 自己認識:自身の強みと弱みを理解していることを示せます。
- 効果的な説明の構造(STAR法)
STAR法を使用すると、経験を構造化した説明につながります。
- Situation(状況):どのような状況だったか
- Task(課題):何を達成する必要があったか
- Action(行動):どのような行動をとったか
- Result(結果):その結果どうなったか
- 説明すべき要素
◾️困難の性質
・具体的にどのような困難だったか(あまりにネガティブな出来事は避けること)
・なぜそれが困難だと感じたか
◾️自分の役割
・その状況でどのような責任を負っていたか
・例えばチームの中でどのような立場だったか
◾️自分が取った行動
・具体的にどのような戦略を立てたか
・どのようなリソースを活用したか
・他者とどのように協力したか
◾️克服のプロセス
・どのような障害があり、それをどう乗り越えたか
・途中で戦略の修正などがあったか
◾️結果、どうなったか
・最終的にどのような結果が得られたか
・数字や具体的な成果があれば、それを示す
◾️学んだこと
・この経験から何を学んだか
・今後どのようにその学びを活かせるか
- 説明の際の注意点
◾️ポジティブな姿勢:困難を嘆くのではなく、チャレンジとして前向きに捉える
◾️具体性:抽象的な説明ではなく、具体的な事例や数字を用いる
◾️簡潔さ:冗長にならず、要点を押さえて説明する
◾️謙虚さと自信のバランス:自慢げにならず、かつ自信を持って説明する
◾️倫理性:解決方法が倫理的で適切なものであることを示す
- 準備のポイント
◾️複数の事例を用意:様々な種類の困難経験を準備し、状況に応じて使い分ける
◾️最近の経験を優先:可能な限り、最近の経験を選ぶ
◾️関連性の高い経験を選択:応募している職種や会社の価値観に関連する経験を選ぶ
◾️練習:友人や家族を相手に説明の練習をする
- 例:困難な経験とその克服方法の説明
「前職で、重要なプロジェクトの締め切りが迫る中、主要メンバーが突然病気で長期離脱するという事態に直面しました。私はプロジェクトリーダーとして、残りのチームメンバーの士気低下と納期遅延のリスクという困難に直面しました。まず、チーム全体でミーティングを開き、状況を共有し、各メンバーの懸念を聞きました。その上で、タスクの優先順位を見直し、重要度の高いものに集中することを決定しました。また、他部署からの一時的な人員支援を要請し、承認を得ました。同時に、クライアントとも率直にコミュニケーションを取り、状況を説明しました。その結果、一部の機能の納期を1週間延長することで合意を得ました。チーム内では、毎日短時間のミーティングを行い、進捗状況を確認し、問題点を早期に発見・解決するよう努めました。また、チームの努力を認め、小さな成功も祝うことで、モチベーションの維持に努めました。結果として、クオリティを落とすことなく、修正された納期内にプロジェクトを完了することができました。クライアントからは高い評価を得、チームの結束力も強まりました。この経験から、危機管理の重要性、透明性のあるコミュニケーション、そしてチーム全体で問題に取り組むことの価値を学びました。これらの学びは、その後のプロジェクト管理にも大いに役立っています。」
→このような説明は、応募者の問題解決能力、リーダーシップ、コミュニケーション能力、そして困難に立ち向かう姿勢を効果的に示すことができます。面接官は、この種の回答から、応募者が実際の職場でどのように機能するかを推測することができるのです。
面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれることが多いです。この時に質問を用意しておくことで、企業に対する関心や理解を示すことができます。例として企業文化について、チームや部署の雰囲気、将来のキャリア形成に関することについて質問することで、より深い理解を得ることができますし、採用する側への意欲の高さをアピールすることができます。
【お礼のメール】
・採用担当者とメールでやり取りをしていた場合などは、面接後に感謝の気持ちを伝えるお礼のメールを送ると良いと思います。面接の機会をいただいたことに感謝し、企業への興味を再度伝えましょう。
まとめ
面接は自分をアピールする大切な場です。事前準備をしっかりと行い、自信を持って臨むことで良い結果を得られる可能性が高まります。面接は初めての相手へ自分のアピールをする場であるため、どんな人でも緊張はします。みんな同じなのです。臆せず、自分の魅力を最大限に引き出し、企業とのマッチングを図る機会と捉えて、後悔することのないよう全力で臨みましょう。
2